会長挨拶

日本に暮らす外国人の数が200万人を超えるようになってから久しい。一方、外国人が日本国籍を取得する数も毎年増加しており、近年では、年間で1万人を超える数で推移している。そして、その累計は54万人に達した。また、1985年の国籍法の改正で、外国人と日本人との間に生まれた子の殆どが「日本人」になり、その数は60万人を超えると推計される。こうして外国にルーツを持つ日本人とその子孫たち(多民族系日本人という)が、今や、日本の経済界、スポーツ界、芸能界等で大きく活躍していることは周知の事実であり、もはや、今日の日本社会になくてはならない存在となっている。

 ところで、このように日本社会で大きく活躍する多民族系日本人が多数存在しても、その人たちが外国人と日本人の共生を目指す多文化共生社会に自由に貢献できているかと言えば決して満足できる状態ではなく、それは多民族系日本人のみならず日本社会にとっても大変残念なことと言わざるを得ない。

 当協会は、多民族系日本人が自らのルーツを明らかにしつつ、日本の多文化共生社会の実現に向けて自由に貢献し、よって、多民族系日本人が日本社会で名誉ある地位を日本人と共に築き上げることを目指している。